■はじめに:介護職から管理職へ、キャリアアップの現実
介護業界は「現場中心」のイメージが強いですが、実は明確なキャリアパスが存在します。
厚生労働省の調査(令和6年度介護労働実態調査)によると、介護職員のうち約27%が将来的に管理職を目指していると回答しています。
一方で、「キャリアパスが不透明」「管理職になるための条件がわからない」といった声も多く、転職活動時に迷う人も少なくありません。
この記事では、介護職から管理職へステップアップするための具体的な道筋と、成功するためのポイントを分かりやすく解説します。
■介護業界における主なキャリアパス
介護職のキャリアパスは、大きく以下のように段階的に進んでいきます。
| ステージ | 主な職種 | 平均年収(目安) | 必要資格・経験 |
|---|---|---|---|
| ① 初任者 | 介護職員(ヘルパー) | 約320万円 | 初任者研修修了 |
| ② 中堅 | 介護福祉士/チームリーダー | 約380〜420万円 | 介護福祉士資格+実務経験3年以上 |
| ③ 管理職 | サービス提供責任者/施設リーダー | 約450〜550万円 | 介護福祉士・実務者研修修了など |
| ④ 上級管理職 | 管理者/施設長 | 約550〜700万円以上 | 管理職経験+マネジメントスキル |
上記の通り、現場での経験を積み、資格を取得しながらステップアップしていくのが一般的です。
特に「介護福祉士」「実務者研修」は管理職を目指す上で必須の通過点といえます。
■管理職に求められる3つの力
現場経験だけでは管理職は務まりません。成功している管理職に共通するのは、次の3つの力です。
① マネジメント力
スタッフのシフト管理、業務調整、チームの士気向上など、現場全体を動かす力が必要です。
例えば、離職率を1年で20%→10%に改善した施設では、管理者が定期的に1on1ミーティングを実施し、現場の声を吸い上げる仕組みを整えたことが成功要因でした。
② コミュニケーション力
利用者・家族・職員・行政など、多方面との調整が必要なため、対話力と説明力が不可欠です。
特に新任リーダーの離職原因の第1位は「人間関係の難しさ」(介護労働安定センター調査)であり、円滑な関係構築が成功の鍵です。
③ 経営・数字感覚
人件費・介護報酬・稼働率など、数字を理解して施設運営に反映させる力が求められます。
最近では「介護経営士」や「福祉住環境コーディネーター」などの資格を取得し、経営面での強みを持つ人も増えています。
■成功するための3ステップ
管理職として成功するには、計画的にキャリアを積むことが重要です。以下のステップを意識しましょう。
STEP1:実務経験+資格取得で信頼を積む
まずは介護福祉士資格の取得を目指しましょう。
合格率は約72%(令和6年度)で、実務経験3年以上が条件です。
現場でリーダーシップを発揮しながら資格を取ることで、施設内での評価が一気に上がります。
STEP2:リーダー・サービス提供責任者としてチームを動かす
管理職候補として最初に任されるのがこのポジション。
この段階で「スタッフ育成」「業務改善」「利用者満足度の向上」に成果を出せば、次のステップに進みやすくなります。
たとえば、離職率低下やクレーム減少など、数値で成果を示すことがポイントです。
STEP3:管理職研修・マネジメント研修を受講
多くの法人では、リーダー研修や管理者養成講座を設けています。
研修では人材マネジメントや労務管理、リスクマネジメントなど、実践的な内容を学べます。
また、外部研修やeラーニングを活用することで、現場を離れずスキルアップが可能です。
■転職を通じてキャリアアップする方法
現在の職場で管理職を目指しにくい場合、転職がキャリアの転機になることもあります。
例えば、規模の大きい法人では「副施設長」「エリアマネージャー」など役職の選択肢が広がります。
転職サイト「介護転職ガイド」などでは、
-
年収500万円以上の管理職求人
-
管理者候補の募集
-
資格取得支援付きの法人
などを多数掲載しています。
転職時には以下の点をチェックしましょう。
-
評価制度が明確か
-
管理職研修の有無
-
経営理念に共感できるか
これらを確認することで、入職後のミスマッチを防ぐことができます。
■まとめ:キャリアアップは「現場力×人間力×学びの継続」
介護業界で管理職として成功する人の共通点は、現場を理解し、人を動かし、学びを止めない姿勢です。
現場の経験を活かしながら、数字や経営の視点を身につければ、キャリアの幅は確実に広がります。
今の職場にとどまるか、転職で環境を変えるか——。どちらの道でも、「学び続ける姿勢」が未来の管理職をつくります。

