
はじめに:外国人介護士が支える日本の介護現場
日本の介護現場では、いま確実に「変化の波」が起きています。
その中心にいるのが、外国人介護士です。
厚生労働省の統計によると、2024年時点で日本で働く外国人介護職員は約6万人に達し、5年前の約2.5倍に増加しています。
人手不足が深刻化する中で、介護業界は外国人材の受け入れを積極的に進めており、今後も増加が見込まれます。
とはいえ、「職場の雰囲気はどう変わるの?」「外国人スタッフと一緒に働くって実際どうなの?」と不安に思う人もいるでしょう。
この記事では、転職活動中のあなたに向けて、外国人介護士の増加が介護現場にもたらしている変化を、具体的なデータとともにわかりやすく解説します。
1.外国人介護士が増えている理由
外国人介護士が急増している背景には、いくつかの制度改革があります。
■ 技能実習・特定技能制度の拡充
2017年に介護職が技能実習制度の対象職種となり、さらに2019年には特定技能制度が創設されました。
これにより、EPA(経済連携協定)経由だけでなく、より幅広い国から人材を受け入れられるようになりました。
現在、日本で働く外国人介護士の国籍は以下の通りです(2024年データ):
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ベトナム:約60%
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インドネシア:約15%
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フィリピン:約10%
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ネパール・ミャンマーなど:約15%
特にベトナム人介護士は近年急増しており、5年前と比べて約3倍に増えています。
2.外国人介護士の増加で変わる介護現場
■ チームケアの多様化
多国籍スタッフが増えることで、コミュニケーション方法や文化的背景が異なるメンバーが共に働くようになりました。
その結果、施設内では**「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」の仕組みの再整備**が進んでいます。
言語の壁を補うために、
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ピクトグラム(イラスト表示)を使ったマニュアル
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翻訳アプリやAI音声通訳ツールの導入
といった工夫が一般的になりつつあります。
■ ケアの質の向上
文化の違いがケアにも良い影響を与えています。
たとえば、フィリピン人介護士は明るくフレンドリーな接し方で利用者の笑顔を引き出すことが多く、施設全体の雰囲気が柔らかくなるという声も。
また、外国人職員の多くが日本で資格取得を目指しており、学習意欲が高いことも現場の刺激になっています。
■ 日本人スタッフの意識改革
外国人職員と協働することで、日本人スタッフにも「伝え方を工夫する力」や「多様性を尊重する姿勢」が育まれています。
結果として、職場全体のコミュニケーションが改善し、離職率の低下につながった例もあります。
3.転職希望者が知っておきたい「変化のリアル」
■ 外国人スタッフのいる職場の特徴
外国人スタッフの割合が高い施設では、
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チームミーティングが英語や簡易日本語で行われる
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文化イベント(ベトナムのテト祭りなど)が開催される
など、国際色豊かな職場文化が形成されています。
一方で、初めて多国籍環境で働く人にとっては、
「文化の違いに戸惑う」「コミュニケーションの齟齬が起きやすい」
という課題もあります。
しかし、多くの施設がメンター制度や日本語サポート研修を導入しており、未経験者でも安心して働ける体制が整いつつあります。
■ 求職者が注目すべきポイント
転職を検討している方は、求人情報の中で以下の点を確認してみましょう。
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外国人職員の在籍数・国籍構成
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コミュニケーションサポート制度(通訳・研修など)
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チームケア方針(多様性・教育体制)
こうした情報を事前に把握しておくことで、自分に合った環境を選びやすくなります。
4.これからの介護現場に求められる「共働」の姿勢
今後、外国人介護士は介護職全体の10人に1人を占めると予測されています(2027年見込み)。
その中で大切なのは、「誰が指導する側か」ではなく、お互いの得意を活かし合う関係性です。
介護は「人と人」の仕事。
言葉や文化の違いを越えて、相手を理解しようとする姿勢が、結果的に利用者の安心につながります。
外国人介護士の存在は、単なる人手補充ではなく、介護の質そのものを底上げする可能性を秘めています。
まとめ:多様性が介護の未来を変えていく
外国人介護士の増加は、介護現場の課題を補うだけでなく、新しい価値観と可能性をもたらしています。
転職を考えている方にとっても、
「外国人スタッフと共に働く」職場は、
コミュニケーション力や柔軟性を磨ける絶好のチャンスです。
これからの介護現場では、国籍や言語を超えて**「心で通じ合うケア」**が求められます。
自分に合った環境を見極め、時代に合った介護の形を一緒に築いていきましょう。
