
はじめに
介護職は「人の役に立ちたい」と考える方にとって大きなやりがいがある一方で、ストレスを抱えやすい仕事でもあります。厚生労働省の調査によると、介護職員の約6割が「強いストレスを感じている」と回答しており、その要因や対処法を理解することは、転職活動中の方にとっても重要なポイントです。特に未経験から介護業界に挑戦しようと考えている人は、現場のリアルな課題を知っておくことで、自分に合った施設や働き方を見極めやすくなります。
本記事では、介護職特有のストレスの原因と、その具体的な対処法について解説していきます。
介護職に多いストレスの原因
1. 身体的な負担
介護現場では、入浴介助や移乗介助など体力を使う業務が多くあります。実際に、腰痛で悩む介護職員は全体の約4割にのぼると言われており、日常的に身体的な負担を感じやすい職種です。
2. 精神的なプレッシャー
利用者や家族とのコミュニケーション、また認知症の方への対応は大きな精神的ストレスになります。特に未経験者にとっては「どう接したらよいのか分からない」という不安がストレスの要因となります。
3. 人間関係の悩み
介護施設はチームワークが求められる職場です。しかし、人員不足やシフトの関係で同僚との関係がギクシャクするケースもあります。人間関係のストレスは退職理由の上位に挙げられることも多いです。
4. 給与や待遇への不安
厚労省のデータによると、介護職の平均年収は約360万円と、他業界と比較するとやや低めです。経済的な不安が心の負担につながる場合もあります。
ストレスを軽減するための具体的な対処法
1. 職場選びで工夫する
未経験から介護業界に入る際は、まず「研修制度」や「フォロー体制」が整っている施設を選ぶことが重要です。例えば、OJT研修や資格取得支援制度を持つ施設であれば、安心してスキルを身につけられます。
2. 身体ケアを習慣化する
腰痛などの身体的ストレスを防ぐには、正しい介助技術の習得が欠かせません。施設によっては「ノーリフティングケア(持ち上げない介護)」を導入しているところもあり、こうした環境を選ぶことは体力的な負担を大幅に軽減します。
3. メンタルケアを取り入れる
日々のストレスをため込まないために、カウンセリング制度やメンタルヘルスサポートが整備されている職場を選びましょう。厚労省の調査では、メンタルサポート制度を利用している職員の約7割が「働きやすくなった」と回答しています。
4. コミュニケーション力を高める
介護職は人間関係のストレスが大きいため、日常的に「報・連・相(報告・連絡・相談)」を意識するだけでも働きやすさは変わります。施設によっては定期的な面談やチームミーティングを行い、意見を言いやすい環境づくりに力を入れているところもあります。
5. キャリア設計を考える
「将来どうなりたいか」を見据えて働くこともストレス対策につながります。例えば、介護福祉士やケアマネジャーを目指せば、給与アップや業務範囲の変化でモチベーションが高まりやすくなります。
未経験者が不安を減らすためにできること
未経験から介護職を目指す方にとって「自分にできるのだろうか」という不安は大きいものです。しかし、全国の介護施設の約6割は未経験者の採用実績があり、現場でも段階的に仕事を覚えていける仕組みが整っています。
また、介護職員初任者研修といった資格を取得しておくと、採用率が高まるだけでなく、自信を持って現場に入ることができます。費用は平均6〜10万円程度かかりますが、自治体や施設が補助してくれるケースも多いため、事前に確認しておくと安心です。
まとめ
介護職は「身体的負担」「精神的ストレス」「人間関係」「待遇」など複数のストレス要因があります。しかし、職場選びの工夫やセルフケア、キャリア設計によって、無理なく続けられる働き方を見つけることが可能です。
これから介護業界への転職を考えている方は、まず自分が不安に感じている点を整理し、それを解消できる職場環境を選ぶことから始めましょう。介護の仕事は大変な部分もありますが、それ以上に「人の生活を支える喜び」を実感できるやりがいのある職業です。未経験でも安心してスタートできる環境を選び、長く働けるキャリアを築いていきましょう。
